メモ帳用ブログ

色々な雑記。

雲のむこう、約束の場所』って自分はまあまあ好きなんだけど、新海監督作品の中でも影が薄い。これより影が薄いのとなると『彼女と彼女の猫』とかの短短編とか、ゲームのOPとか、CMとかになる。『雲のむこう、約束の場所』は拙さが全編を通じて一定レベルで、適度なカキワリ感で期待を変に煽られることもなく、スケールの大きい設定が小さく纏まっていて、良くも悪くも激しく感情を刺激されない。新人監督が低予算で制作したという前提込みで、ぼんやりと好き。
星を追う子ども』レベルでアレだと逆に語り草になる。『星を追う子ども』は新海監督の好きな作品を詰め込んだ映画な感じなんだけど、前提としている先行作品の選び方も作品自体の要素もチグハグ。ひとつの作品としての有機的な統一性を欠いている。だから上っ面だけという印象になってしまっている。新海監督の観念や裏設定ではちゃんと繋がっているのかもしれないけど。変に高クオリティを期待させる要素を入れてそこそこクオリティ。でも初めてポエムでない散文的な作品を手掛けてこの出来ということを考えたら凄い。要素要素と全体のテーマは好みに合う。
ギリギリひとつの作品として纏まっていると感じられるなら、直線的じゃない無駄や遊びのある作品のほうが自分は好きだ。一般的に作品のアラと言われる部分もその作品特有の味わいを出すのに何らかの役割を果たしている。でも限度がある。