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芹澤本で、東北へ向かうことになる日の朝、芹澤は


草太に対して「一方的に俺に心配ばかりかけ続ける」と考えている。だが大学3年生の時、芹澤は草太から「お前は自分の扱いが雑すぎる」と叱られていた。図らずも大学4年生の芹澤が草太に対して同じセリフを使った時の様子からもわかる通り、これは相手を心配する言葉だ。草太は春に出会った芹澤が無茶な生活を続けていることをその年の夏までには察し、どうにかしたいと考えていた。バイト先で詐欺に巻き込まれそうになっていることを知ってとうとう我慢ができなくなった。
芹澤は草太も寂しさを抱えていることには気付けたが、自分が草太から心配されていることには未だに気付けていない。
だから気まずい別れをしてから再会するまでの2週間と少し、気を揉んでいたのが自分だけでないことにも気付いていない。草太が旅先から自宅を経由することなくリュックを背負ったまま直接芹澤の部屋を訪れた意味だってわかっていないだろう。
だが、草太が芹澤を心配していたことが明確になればなるほどに気になってくるのが、自分を心配する芹澤のことを草太がどう考えていたのかという点だ。
草太は自分を芹澤が心配していることは理解しており、幾度か言葉にしている。ただその心配に応えたことはないし、映画本編でも自宅を訪ねてきた芹澤に素っ気ない。自分の扱いが雑な相手を心配するあまりに相手の家を訪ねる行為はかつて自分がやったこととそっくり同じなのにも関わらずにだ。新海監督によると草太は芹澤のグイグイ来るところが鈴芽に見られて恥ずかしかったり、ウザイと感じたりしていたという。
この理由として考えられるのは、自分と違って友人が多くて優しい芹澤は自分に限らず誰のことでも心配するんだろうと思っていたとかだろうか。東北まで芹澤が来ていたことに驚いていたし、大げさにグイグイ来るけど心底切羽詰まって心配しているわけではないと思っていたのかも。もしくは自分のことを心から心配していることは理解しているが、だからこそ応えられないことが後ろめたくて無意識に直視することを避けている、あたりだろうか。
草太のキャラ解釈を大きく左右する部分だな。とりあえず自分は中間くらいと考えておく。