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色々な雑記。

言葉の定義でいうと、中二病って流行り言葉の宿命か便利に使いすぎたせいで意味が絞りにくくなってしまったところがある。

今の使い方だと「くっ…鎮まれッ俺の右腕!」みたいな痛々しい超能力妄想というかいわゆる邪気眼的なものを中二病、それに冷めて小馬鹿にするようになったのは高二病とするようなのが多いのかな。でも良さがわかりもしないのにブラックコーヒーを飲んだりして大人ぶってみる態度っていう使い方からすると、本来の中二病が指した態度は今の高二病が指す範囲の方に移ってしまったのかもしれない。この辺の使い方はぐちゃぐちゃになってしまって正確なニュアンスが取りにくい。ただ中二病という言葉は一貫して若者の自意識過剰感を表しているようだ。それでいうと今では使い分けが生まれていても、中二病だって高二病だって若者の自意識過剰感を示す言葉であることに違いない。オタクがいい年こいたのばっかりになった昨今では、中二病を笑うよりむしろそういうものとして肯定的に扱ったりもする。そうするとまた新しい貶し言葉が生まれるんだけどそれはとりあえず置いておく。

使い分けをする場合の中二病高二病の違いで個人的に思い浮かぶのが『銀河英雄伝説』のラインハルト・フォン・ローエングラムヤン・ウェンリー。今では中高年ファンばっかりになった『銀河英雄伝説』だけど、当時はどちらかというと若者向けの小説だった。金髪美系でギラギラ系のラインハルトも、アジア系でやれやれ系のヤンも、それぞれ違った方向で若者のファンを集めたキャラだろう。

自分は断然のヤン派。ただラインハルトの中二っぽさが少し崩れた部分というか、「かつて姉が皇帝の妾にされたことをバネに、自分が新しい王朝を建てるまでに成り上がりつつ、同時に高潔童貞路線も驀進。しかし成り上がるために犠牲にした者たちの恨みに直面して落ち込み側近のヒルダとワンナイトラブ。責任を取るために求婚する中でヒルダの妊娠が発覚。生まれてきた息子に、俗な名だと思いつつも、亡き友人の名であるジークフリードから取ってアレクサンデル・ジークフリードと名付ける」とかの部分は好き。ただ中二的キャラがここまで崩れると、あとはキャラを守るために早世するしかないんだろうな。同じく早世したヤンとの釣り合いもあるし。