メモ帳用ブログ

色々な雑記。

日月同错(屍者の13月)は、第1話冒頭から竹ひごに操られる影絵人形の暗示で始まるくらい「操られる」ということが重要なテーマになっている。
だから黒山村のエピソードで天命に操られた人間の末路を描きたかったことはわかる(そういえば天命の神通と天賦の神通は中文版だと本命神通と天賦神通だから、2つの神通で天と命を分け合うことになる。中国語の本命とは六十干支とそれに定められる宿命のこと)。でもテーマ描写のために登場人物の感情までストーリーの操り人形になっている感が強くてあまり楽しめなかった。特に白小小が物事を自分の思うようにコントロールしたい屍者にコントロールされた挙げ句、主人公が煮えきらなかったせいでとんでもない死に方をしたことには本気で不満が残ってるぞ。
白小小は連載が始まる何ヶ月も前に公開された予告カットの中にいたキャラだった。確か姜明子、高皓光、白大、白小小とかが実際の原稿から数コマずつ抜粋されていたはず。お姉さんキャラ好きの自分としては、その抜粋された1コマ(第3話のサムネイルにもなっているコマ)で幸の薄そうな地味系お姉さんにときめいて、何ヶ月も登場を楽しみしていた。実際に読んだら意外と精神状態が不安定でこういうキャラなのかと受け止めつつ連載を追っかけていったら、C級ホラーまがいのピンチの連続の挙げ句あの末路だよ。最期だけ感動的にしようとしても騙されてやらないぞ。最期はあのままでもせめてもう少し高皓光と白小小の交流を丁寧にやってくれても良かったのに。やっぱり白小小を高皓光の初恋で一目惚れの相手にすれば手っ取り早くやれたと思う。でもそれだと高皓光が村人と揉める理由が義憤じゃなくて私情になるから、青すぎる正義感で突っ走る高皓光のキャラとずれちゃうのかな。段星煉・周六晴の関係ともかぶり過ぎちゃうし。
まあ、白小小と属性がかぶってる段星煉が白小小で見たかったイベントを結構やってくれているので多少不満が軽くなったかな。段星煉は日本のアニメだと90年代によく見たような普段気弱だけど切れるとヤバい少年キャラで、自分からすると中二病っぽいイキイキシーンのむず痒さをいじりたくなるところもあるんだけど、感情の流れが意味不明とかはないから好きなキャラだな。暴力の理由も100%私情で、私情の理由がわかりやすくて、変に取り繕ったりしないからかえってさっぱりしてる。周六晴との関係も良い。周六晴は単体でも文句なしに好きなキャラだ。あと三川の法屍者たちも好き。
影絵人形の暗示からして伝承者同士の戦いがあると仮定して、あからさま過ぎる姜明子ラスボス化はブラフで、段星煉ラスボス化で白小小の再来に、とかの可能性はゼロではないのかも。もしそうなったとしても過程が面白いならアリだな。たぶん高皓光ラスボス化はないだろうけど、逆に高皓光が正義を貫くために2人と戦うとかはあり得るかもしれない。