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民を見下していい地位

そういえば中国だと日本のライトノベル(ウェブ小説を書籍化)が原作のアニメである『オーバーロード』の人気が高いんだっけ。『オーバーロード』はブラックコメディテイストの強い作風で、VRMMORPGで魔王プレイをしていた主人公がなぜかその地位のままに瓜二つの異世界に転移してしまうというストーリー。異世界での臣下たちに見限られるとどんな目に合わされるか知れたものではないので、怯えながらも魔王らしく振る舞うことを余儀なくされ、そのうちに精神までが魔王化していっていってしまう。魔王なので人間を虐げるし殺したりもする。作品の受け手は悪役プレイを楽しんで見ているけど、主人公本人は(最初は)地位のせいで嫌々やっているというのが適度な言い訳になっている。
こういう主人公が悪の親玉だったり魔王だったりするパロディ的な作品は定期的に流行る。コメディ的に始まって、作り物そのものの世界観なりに読者の愛着が育つに従い、シリアスな展開に以降していく作品も多い。
中国でもウェブ媒体(つまり最近の若者向け媒体のメイン)では悪役主人公ものの人気が流行っていたそうだ(最新の流行は変わっているかも)。また悪役ポジションでなくても、仙道であり俗人から超越した主人公と愚かな民の隔たりを描く作品は多いらしい。ついでに仙道は自分の欲望を満たすことは肯定される美味しいポジションでもある。