メモ帳用ブログ

色々な雑記。

何個か前の投稿に補足。
風の谷のナウシカナウシカとラステルの遭遇について。
まず作中の経緯を確認する。風がひどく騒ぐ夜、トルメキアの軍用航空機が風の谷に墜落しそうになっていた。ナウシカは墜落を食い止めて軟着陸させるためにメーヴェに乗って航空機を誘導しようとした。その時に航空機に少女(ラステル)が囚われているのを発見した。

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この時点のラステルは特段大きな怪我を負っているふうでもなかった。航空機はナウシカの誘導の甲斐なく機体の一部が谷にぶつかって墜落。ナウシカは機体の残骸に押しつぶされたラステルを発見し、救命を試みようとラステルの服をはだける。しかしラステルの服の下を見たナウシカは救命の手を止め服を戻す。ラステルから積荷を燃やすよう頼まれたナウシカは積荷はみんな燃えたと答える。ラステルは良かったと囁きながら息を引き取る。
この時のナウシカははじめ必死に救命を試みていた。途中で手遅れを悟らざるを得なかったが、最初からせめて少しでも安らかに死なせようとしていたのではない。
ラステルの服をはだけた時にナウシカが何を見たのかということを気にする人が多いらしい。もちろんそれは墜落の際に負った一目見てわかる致命傷であり、宮崎監督によれば鉄骨に押しつぶされてできたものだそうだ。もし宮崎監督がインタビュー中で笑い話として答えていたように乳房を見てラステルが女の子と気付き驚いたのだったら、ナウシカはそんな理由で救命をやめた上に、ラステルがその直後に死んでも大して驚かなかった薄情者ということになってしまう。ナウシカが驚いたというだけなら見たものの候補はいくらでも考えられるが、あのナウシカが救命をやめたことを考えればやはり致命傷以外はありえない。常人なら驚いて手を止めるような何かがあったとしても、ナウシカなら一目見てわかる致命傷でもなければ救命を続けただろう。そしてその致命傷とは航空機の墜落の際に負ったものだ。
ただしもしラステルが作中とは違ってぐったりした状態で航空機に乗っていたのだったら別の理由もあり得た。その場合は航空機の中で既に致命的な状態にあり、墜落の衝撃でとうとう亡くなったと考えることもできる。航空機の中で負った傷が開いて一目で手遅れだとわかる状態になるかもしれない。しかしこれは作中の描写を意図的に無視した空想に過ぎない。