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色々な雑記。

ヒストリアの家に関する言及は初期とそれ以降で少し食い違っている。たぶん設定を連載中に少し変えたようだが、ウォール教聖職者の間で少し誤解のある噂が広まっていたと考えてもおかしくない程度の違いだ。
まず第37話でニック司祭は「その子は… 3年前よりその血族の争いに巻き込まれ 偽名を使って身を隠している」と語った。
第40話の回想内のユミルは偽名を使っていたヒストリアに「家から追い出された妾の子」だろと聞き、さらにウォール教聖職者から盗み聞きした内容を話した。その子は跡取りの位置にいて、血は直系だったが、不貞の子であるので面倒を避けるために殺されかけた。また、名を偽るならと見逃され、訓練兵に追いやられたのだという。
この2つの証言を合わせると、ヒストリアはレイス家の本邸か別邸に住んでいたが、847年に起きた跡取りをめぐる争いに巻き込まれ、血は直系だったが不貞の子であるせいで血族の他の人間に跡取りの座を奪われてしまい、殺されかけるものの名を偽るならと見逃されて訓練兵になったことになる。
第52話でヒストリア自身が語った過去はこれと少々異なる。本人の証言であり、作中でも真実を語る意味合いの場面なのでこちらが正確だろう。
ヒストリアは物心つく前からレイス卿領の牧場で暮らしていた。そこは母親の実家だった。母・アルマを含めて周囲の人間からは快く思われておらず、自分の出自を聞くこともできなかった。母はそのうちヒストリアを置いて街で暮らすようになる。845年に領主であるロッド・レイスがアルマとともに牧場に現れる。ロッドは父親だと名乗り出て「これからは私と暮らすぞ」と言った。しかし中央憲兵のケニーが現れ、ロッドにアルマとヒストリアを殺すと暗に伝えた。ロッドは承諾し、アルマは殺された。しかしロッドがヒストリアの助命を求め、偽名で生きることが許された。ヒストリアは開拓地に送られて2年間を過ごす。847年に訓練兵団に入団し、エレンたちと出会う。
847年に血族の争いがありヒストリアが家から追い出されたというのはウォール教聖職者の勘違いとしておく。また、後に明らかになる事実によれば、ロッドはヒストリアを除いた子供をグリシャに殺害された後でヒストリアを迎えにきた。壁内にレイス家の分家が存在する様子はない。血の穢れを清めるために、アルマとヒストリアの殺害を決定した議会は非エルディア人であり、レイス家の血を引いてはいない。もし議会やケニーがレイス家の根絶を目論んでいたのでなければヒストリアを最後の生き残りと知った上で殺害しようとしたとは考えにくい。壁内が壁外から攻撃を受けている状況で、議会が始祖の巨人の力を持つレイス家の根絶を目論むことはまずありえない。ケニーは自分が巨人になるためにレイス家の継承の儀式が行われることを望んでいた。