メモ帳用ブログ

色々な雑記。

旅順攻囲戦で上層部の無謀な作戦に物申していた鶴見が、函館で鯉登から無謀な作戦に物申される立場になる、というのは狙った展開だと思う。仲間の死体で銃撃を逃れるシーンもそのまま被せてるし。
月島が奉天で鶴見を庇った展開と、月島が樺太で鯉登を庇った展開も対比させてある。庇われた瞬間鶴見は月島に対する愛の支配の成立を確信してニヤリと笑った。鯉登は月島と先に負傷させられた谷垣の分も合わせて「おぉおのれよくも… 私の部下たちをッ」と叫んで、キロランケと殺し合った。最後に月島が鯉登を自爆に巻き込めず命を拾うのもこの一連の流れ。
ファンブックによれば鶴見は過去の妻子ありきのキャラだそうなので、第31話の演説の時点で過去は決まっているはず。情報将校という経歴もこの時点で出ている。
大雑把に
お国のために軍に志願して諜報員→
身元を偽ってウラジオストクで妻子を作る→
妻子を失う→
ウラジオストクを単に戦略的な意味だけでなく妻子を弔うためにも日本領にしたいと思うように→
宇佐美から愛を教わったり、月島を監獄から出したり、尾形を引き込んだり、鯉登誘拐を主導したり、発見したウイルクを追いかけたりと色々暗躍→
日露戦争開戦→
旅順攻囲戦で上層部に失望→
尾形に父親を殺害させたり、佐渡出身の男を月島に接触させたりと色々暗躍→
前頭部の欠けた現在の鶴見に
といった感じ。
鶴見がアシㇼパに語りかけ、鯉登と月島に盗み聞きさせた大義は「日本の繁栄」。そこに大義と私情の中間の「満州を日本領にすることで仲間たちを弔う」、完全に私情の「ウラジオストクを日本領にすることで妻子を弔う」という動機も加わる。「満州を日本領にすることで仲間たちを弔う」はクーデターの下準備を始めてから加わった動機だが、第七師団の賛同者を繋ぎ留めるためには大きな意味がある。
鶴見劇場としては大義8:私情2くらいで演出したいっぽい。ただ、原点が日本の繁栄なのは偽らざるところだとしても、現在の鶴見は私情が半分かそれ以上な感じ。