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色々な雑記。

「愛する者はみんなゴールデンカムイに殺される お前の責任だぞ ウイルク!!」と鶴見はアシㇼパに言った。素直に読めば、お前たち親子が金塊を入手しようとするせいでお前たち親子の愛する人間はみんな死ぬんだぞ、という意味になる。このセリフと対応する第270話の鶴見のセリフを読んでも基本的にはそうだ。
ただ自分には「お前の責任だぞ ウイルク!!」というセリフには、ウイルクが北海道で金塊を手に入れようと日本語を学ぶために自分に接触したせいで自分の妻子は死んだんだ、と責めるニュアンスのほうが実は強いように感じる。第270話でも鶴見はゴールデンカムイの犠牲者として自分の妻子に言及していた。さらに鶴見は、お前が金塊を放棄しないせいで私の愛する部下たちも死んだんだとアシㇼパを責めているようにも思える。鶴見は嘘で相手を誑かして死ぬまで自分の道に同行させる点まで含め、部下たちのことを愛しているつもりだったのではないか。かつてそうやってフィーナとオリガを愛したように。この直前に過ちに気付いて自ら止められたとはいえ、部下たちを自分が殺したのだと認めたくない自分も同時に存在した。だからアシㇼパに自分の過ちを責任転嫁し、さらには父親の事故の罪まで押し付けるような言葉を吐いてしまったのではないか。こちらも、フィーナとオリガが事故死した原因は、流れ弾を当ててしまったウイルクだけにあるのではなく、むしろ秘密警察に追われるスパイだった自分にあることを、どこかで悟り、だからこそ認られなかったためだろう。