メモ帳用ブログ

色々な雑記。

尾形は列車で事故を起こして反乱分子を全滅させ、鶴見の死亡を偽装して自分の参謀として飼い殺すことを計画していた。鶴見は尾形と杉元・アシㇼパが戦っている時に満州へ高飛びする計画を練っていた。だから尾形が杉元たちに殺されることを期待したか、勝ったが消耗しているところを殺すつもりだったか、そのどちらかだったことは間違いない。おそらく列車事故による死亡偽装も行うつもりだったはずだ。鶴見にはひとつ確かめたいことがあり、それは五稜郭に金塊が残っているか確かめることだった。持ち出すのは無理にしても捜索できる時間は稼いでおかなくてはならない。この時点では杉元たちに直接ありかを聞くことを想定してないので、部下たちが杉元たちを殺すか足止めすることを期待していたのだろう。最初は列車事故を部下の乗った車両ごと起こす気だったが、様々な点を考慮して道連れにするのはやめた、と考えるのが自然だ。ただし断言はできない。

仮に鶴見が最初から先頭車両を切り離した状態で死亡偽装を行う気だった場合、生き残っているのは杉元たちである必要がある。尾形が生き残っているのに先頭車両を切り離して逃げようとしたら狙撃されてしまう。杉元たちが自分を追って先頭車両に乗ってくれる必要もある。自分一人で先頭車両に乗っているのにそのまま事故死したらいくら何でも不自然だ。距離を稼ぐために追手を振り落とそうとしていたが最後まで食いつかれ、飛び降りるタイミングがつかめなかった、という状況を設定しなくてはいけない。だから部下のほとんどが戦闘不能になり、なおかつ杉元たちが戦闘可能な状況に陥ることを最初から鶴見は想定していたことになる。鶴見は列車にヒグマが入り込んだことすら途中まで気が付いてないはずだ。こうした想定ができたと考えることにはやはり無理がある。また、杉元たちが鶴見の部下に追われずにすんだのもヒグマの死体がちょうど通路をふさいでくれていたためだ。この偶然がなければ杉元は鶴見の部下を本当に全滅させるしかなかった。