メモ帳用ブログ

色々な雑記。

鯉登平二は第139話で武人の親子関係についてこのように語った。

息子はいずれ指揮官になる。指揮官には大勢の若い命を預かる責任がある。だから、「せがれには我から進んで困難に立ち向かい ふさわしい男になっくんやんせ」。
花沢は切腹するとき自分に手紙をくれた。息子が最前線で戦死して愚かな父の面目を保ってくれたと。
自分たち世代の起こした戦争で大勢の国民の息子たちを戦地へ送った。我が子かわいさに危険から遠ざけるのは戦死した子供の親たちに申し訳が立たない。
「のっぺら坊も… そげな父じゃったんだとオイは考えちょる」
アイヌに『戦って死ね』とうながすったれば まず我が子供を先頭に立たすっとが筋じゃっど…」
「娘ば利用しようちして育てたんとは絶対違どと思うちょります」

第268話でウイルクはアシㇼパについてこのように語った。

「アシㇼパの幸せを祈っている」
「誰かに戦わせ安全なところで生きる無責任な娘ではなく 茨の道を自分で選び幸せを掴もうとする人間になってほしい」
「ソフィアのように…」

ウイルクの発言は鯉登平二の発言の前半部分と重なる内容になっている。だから「のっぺら坊も… そげな父じゃったんだとオイは考えちょる」という推測は正解だ。ほかの描写からもウイルクと鯉登平二は同じような姿勢で自分の子供を育てていたことがうかがえる。だから「娘ば利用しようちして育てたんとは絶対違どと思うちょります」という部分もメタ的に正解が保証されている。