メモ帳用ブログ

色々な雑記。

尾形は自分はおかしくないことを証明しようとしてどんどんおかしな道に進んでしまった。尾形は罪悪感を持たない(実は自覚できなかっただけかもしれない?)自分はおかしいというコンプレックスと、自分は祝福されていない、つまり両親はどちらも自分を愛していないし両親の間にも愛はなかったというコンプレックスを抱えていた。両親の間の愛を証明しようと母親を殺害したが目論見は外れ、自分の祝福を証明できなかった上に、罪悪感を持たない、あるいは自覚できなかった自分はおかしいという新たな悩みの種を抱えてしまう。また、自分がおかしいのは祝福されていないからではという誤った疑念を持ってしまい、それを否定するために殺人を重ねることになる。
自分は少し変わっているけどこんなもん、ですませられたら母親すら殺害しないままでいられたかもしれないのに。ただそちらの尾形と、自殺したなりに自分の人生で1つ確かなものを得られた現状の尾形、どちらが幸せなのかはなんとも言えない。周囲の人間からしたら前者で間違いないけど。
事前にジャック・ザ・リッパーと上ヱ地を否定しといたおかげで、尾形は否定しないでいい感じに終わっても作品としての節度は保ってるのが上手い。