メモ帳用ブログ

色々な雑記。

人の心がないことを言うと、ロシアの南下阻止が目的ということは共通しているんだから、日本政府、鶴見陣営、ウイルク・土方陣営は協力して国防のために金貨を役立てるのが一番無駄がなかった。ある意味オマケのオチもそんな感じだし。でも争奪戦を始める前のこれらの勢力が最初からそういう風に動けたかと言えば、絶対に無理だっただろう。そういう意味では争奪戦の過程そのものが意思決定のためのすり合わせのプロセスと言えなくもなく、過程で散っていった人々も全くの無駄死にだったわけではない。一見無駄に思える競争のプロセスこそが長い目で見れば最良の手段へと導いてくれるというのはよくあることだ。現代ならもっとスマートに競争する方法はいくらでもあって、ここまでロスが多い競争は本当にただの無駄だけど、ゴールデンカムイの時代は明治だし。
同様にウイルクとキロランケも、ソフィアを説得して北海道に連れてきて、蝦夷共和国からやがて極東連邦国家に発展する方向で話を最初から纏められれば血を伴う決裂を迎えずに済んだんだろうけど、3人とも生きた状態でそういう合意に達するのはどう考えても無理だっただろうからなあ。ただウイルクの周りで自分やキロランケを含めたアイヌが大勢死ぬことになったのは、黄金の悪神や鶴見の口車のせいというよりは、ウイルクが他人を説得するのが苦手なせいだと思う。