メモ帳用ブログ

色々な雑記。

間テクスト性でいうと、真っ先に思いつくのは『君の名は』の最後の場面。『秒速5センチメートル』を知っていると感慨もまたひとしお。『君の名は』のこの批評はそれ以外の間テクスト的な連続性の解説も含めて丁寧で面白かった。

恋する彗星――映画『君の名は。』を「線の主題」で読み解く – ecrit-o

人はなぜ映画を見るのか。そこに映し出されている自分の片割れと出会うためである。その片割れは、ときとして人ならざる姿をとって我々の前にあらわれることがある。 映画『君の名は。』(2016年)が分裂して隕石と化した彗星核の主観ショット(見た目のショット)で幕を開けている点を見逃してはならない。

「風景の人間化」(間違っても「風景の擬人化」ではない) っていうのは素敵な言葉だ。「風景の人間化」がうまく機能してる作品は好きだな。

あと、『君の名は』 は、「恋愛の切なさ」をテーマのひとつとしている点はこれまでの新海監督作品と共通しているんだけど、テーマを示すことと物語の構造でドラマをつくることを両立できるようになっていて、素直に楽しい作品だった。偶然、つまり運命的に生じた自分の片割れの運命を変えるために奔走するって物語の構造は恋愛抜きでも先が気になってワクワクできる。SF的であることより神話的であることを重視していて、人智を超えた部分、いわばご都合の部分にロマンを感じられるような文脈を作っているのも好き。