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色々な雑記。

白小小に母親が別れしな言ったセリフには嘘と本音の両方が入ってる。
「小小, 离开这里吧,去山外面看看。」
(直訳)
「小小、 ここを離れるのよ、山の外に行ってみなさい」
という部分は本音だ。
その前の
「娘亲要去见你爹了。 放心,这次后,村子里的人不会再为难咱们了。」
(直訳)
「お母さんはお父さんに会いに行くわ。 安心して、これから先、村の人はもう私たちに無理を言わないはずよ。」
という部分は建前だらけの発言だ。まず自分は生贄にされると言わなかったのが建前だ。また、夫が生贄にされた後でさらに自分に生贄が回ってきたのだから、もう無理は言われないから安心してなんてことは本心では言えないだろう。このまま村にいれば白小小まで生贄にされるのはわかりきっていた。だからこそ不可能に近い状況でも、山の外に行ってほしいという希望は本音で伝えた。母親は元々白家の人間ではないし、山の外から嫁いできた可能性すらある。白家の血の借りどうこうを馬鹿馬鹿しく感じてもおかしくない。
白小小に父親は建前だけを告げて別れた。しかし母親とは本音で話し合っており、その会話は白小小も盗み聞きしていた。日本語版だと誤訳のせいでこれも三眼から授けられた記憶のように見えてしまうが、違う。
「逃不掉的,隔壁村就有一个想逃之人,自己没逃成,还把全家都害死了。 上尸的神通,躲不过的。 没有办法,不过我这一去,他们也不会为难你和小小了,只要拖下去,一定会有求法者出现帮助黑山村的。 更何况咱们先祖确实对黑山村有莫大的罪责,没有办法… 就当还债了。」
(直訳)
「逃げられない、隣村に1人逃げようとした人がいて、自分は逃げられず、その上に家族が皆殺しにされた。 大屍仙の神通からは、身を隠せない。 仕方がない、でも俺が行けば、彼らも君と小小に無理は言わないはずだ。長引きさえすれば、必ず黒山村を助けてくれる求法者が現れるだろう。 まして俺たちの先祖は確かに黒山村に対して莫大な罪責がある、仕方がない… 借りを返したことにしておく。」
白小小の父親は生まれ育った村を信頼していたようだ。だから、俺が行けば彼らも君と小小に無理は言わないはずと言ったのは本心だろう。しかしその期待は裏切られる。
「(就)当」は、物事をわざと事実とは異なるようにみなす、そういうことにしておくという意味。白小小の父親は生贄になって千年以上前の先祖の借りを返すなんて馬鹿げていると知りつつも、仕方がないので、そういうことにして自分を無理に納得させた。本心から自分たちは生贄になるべきなんて思っていたわけじゃない。
それと自分は、隣村の人間が殺されたということを白小小の父親は黒山村の誰かから教えられたのかと思っていたけど、普通に隣村に行って現場を見たのかもしれない。三眼の支配下に置かれた人間は、村単位で閉じ込められているというより、3村に跨がる広大な神通の範囲に閉じ込められていると考えたほうが良さそうな描写が多い。南北朝時代の白大も近くの山で薬草取りをしている時は襲われなかったが、遠くの山へ行こうとしてから傀儡に追いかけられた。