メモ帳用ブログ

色々な雑記。

白小小が村の大人を皆殺しにしたことは作中の道義で有罪なのか無罪なのかという議論は的外れだ。白小小は作中で死を免れ得ない罪人になる運命を背負わされた。白小小は運命と三眼の誘導に従うままに許されざる罪を犯してしまった。 

千年前の先祖の罪を子孫に問うことは人間の道理として間違っている。少なくとも1905年で新しい時代を担うべき高皓光と黄二果はそう考えている。

黒山村の大人たちは自分と家族の保身を図るあまりに千年前の先祖の罪を子孫に問うことは正しいと思い込もうとしてしまった。そして犠牲にされた白家もそう思い込むしかなくなっていた。そのために千年前の先祖の加害者・被害者関係が逆転した時、今度は白家の生き残りである白小小が村人を皆殺しにしようとする。高皓光は人間の道理として、犠牲を強いた張本人である村長が殺されことは仕方がないが、ほとんどの村人は殺されるほどの罪は犯していない、無罪の村人もいるかも知れないと考えた。だが心情では白小小に共感したため村の大人を皆殺しにすることを阻止できなかった。しかし白小小は同じく千年前の村人の子孫である子どもたちは殺せなかった。白小小は千年前の先祖の罪を口実にして人を殺す愚かさに気付く。また先祖の冤罪で苦しんだ身でありながら、現在の罪を精査することもなく人を殺してしまった。現在の自分が犯した罪の重さに気付いた白小小は子どもたちの刃を受け入れ倒れる。だが自分の意志で過剰な復讐をやめたことにより、死の間際に山の外の世界を垣間見ることができた。