メモ帳用ブログ

色々な雑記。

人間誰しも多かれ少なかれ他人の言葉を自分に都合良く捻じ曲げて受け止め、記憶している。ただそれが強くなりやすい人や場合はある。
雑誌版の最終回までと加筆を含めた単行本の第30巻までで鯉登音之進少将の人物像はかなり掘り下げられた。
第210話『甘い嘘』の「鶴見中尉殿が来られる前にお前に聞いておきたいことがある」という鯉登が月島に投げかけたセリフ、数々の疑惑について問い質したがはぐらかされた流れ、鯉登は月島が自分の誘拐事件の実行犯の1人だと確信していたことを踏まえて、改めて「もういい!! 本人に直接聞く 父上の前で全部明らかにさせるッ」というセリフを読めば、鯉登が怒りながらこう言った理由が過去の誘拐そのものではなく、この場で月島が本音を語ってくれない点にあることは明白だ。鯉登はわざわざ一対一の場を設けたのに月島がまっすぐに向き合ってくれない。だが曲りなりにもこの直後に月島は鯉登に偽りのない言葉を述べてくれた。鯉登も後日になったが真正面からそれに応えることができた。