メモ帳用ブログ

色々な雑記。

親友から「息子が名誉の戦死を遂げたので自分も名誉の自殺をします」みたいな内容の遺書(偽装工作)を受け取った時の鯉登平二の気持ちを考えると居たたまれなくなる。次男は生きているとはいえ、長男がむごい戦死をしたのに生きている自分は何なんだろうと思ってしまうよ。
鯉登平二が鶴見のクーデターに加わったのはこの遺書の影響も大きいはずだ。花沢幸次郎に旅順攻囲戦の責任をすべて押し付けた中央に対する反感に加えて、鶴見に憧れて鶴見の部下になろうとしている次男はできる限り援護してやりたい、長男の戦死した日清戦争の犠牲と成果を軽んじる政策は許せない、そういった思いも強くなっただろう。
鯉登家は軍人の家系だし、明らかに武家の流れを汲んだ名家だ。家族が戦死した時の気持ちは、もう戦争は無くなってほしい、ではなく、家族の戦死を無駄にしないためにも戦い続ける、だ。