メモ帳用ブログ

色々な雑記。

前読んだ本によると、江戸時代、地方の名家でも全国上流階級サロンみたいなところとの結びつきが強い家では現在の標準語に近い言葉を話していたらしい。ともに薩摩出身だけど、花沢家はそういう名家の系譜で、鯉登家は地域密着型の名家の系譜ということなのか。それとも花沢幸次郎は相手が薩摩弁の通じなさそうな尾形だから死の間際まで標準語を使ったけど、普段は薩摩弁だったのか。
鯉登平二は花沢幸次郎に尾形百之助という妾腹の息子がいることを知ってたんだろうか。陸軍と海軍だし下手すると知らないこともあり得るけど、流石に知っていたはず? 知っていたとしても本妻の息子はちゃんと育てている以上、女性関係の不始末はせいぜい苦言を呈する程度か。当時はそんなもんだし、薩摩の男同士だし。
鯉登平二はいい人なんだけど、作中で示されている交友関係が当時だとスルーされる現実的に酷い男の親友・花沢幸次郎と、当時なら勝てば官軍負ければ賊軍と言えなくもないけどぶっ飛んで酷いクーデター首謀者・鶴見篤四郎なので、どっちも掘り下げた描写がやりにくそう。下手に掘り下げると、鯉登平二は凄い馬鹿orこいつらと同類ではってことになりかねない。というか時代を考えると、中将が任務に失敗した少尉である一人(だけ生き残った)息子に「生きちょりゃよか」って言っちゃうのって酷い非国民だ。本人もそれをわかっているからちゃんと周りに人がいないのを確認しているけど。
鯉登平二周りは現状でもだいたい設定は拾えるし、色々難易度高いし、物語としての優先順位を考えたらすでに尺を割きすぎなくらいとはいえ、さらにもう少し野田先生に肉付けしてもらえたらより嬉しかったという気持ちはある。