メモ帳用ブログ

色々な雑記。

ゴールデンカムイは、ヤバめのラインを攻めつつも本当にヤバいラインは超えずにバランスの取れた描写をする、という意味でのポリティカルなセンスはあるけど、政治劇や権力闘争を説得力をもって描く、という意味でのポリティカルなセンスは序盤からまるで感じられなかった。後半でも政治劇みたいなのを期待し続けてラストがそうならなくて裏切られたと感じた人もいたようだけど、他人に期待しすぎてもいいことはないと思った。
野田先生は良くも悪くも関心が個人に向けられている人というか、組織に厚みをもたせるのが得意な人ではない。「マンガ」な感じなのに組織に厚みをもたせるのが得意なクリエイターの例でいうと、反則気味だけど宮崎監督とか富野監督とか、昔の押井監督とか。
鯉登音之進も自分は好きだけど、信頼は一から勝ち取るにしても人の上に立つのが前提の封建領主の子どもという感じで、近代的組織のトップという感じではない。クシャナ殿下的ではあってもエボシ御前的ではない。
鶴見や鯉登平二も設定的にはエボシ御前のほうのはずがまったくそう見えない。クーデターだろうと司令官の言うことには部下は基本的に従う世界。本能寺の変明智光秀と家臣たちのような。