メモ帳用ブログ

色々な雑記。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アシㇼパの殺人の覚悟の流れはだいたいこんな感じのはずだ。野田先生のインタビューも参考にした。 アシㇼパは杉元に誘われるまま人殺しの覚悟もなく金塊争奪戦に参加し、樺太編のラストでは杉元にこの殺し合いの場から退いてほしいと言われた。しかし自分の…

ゴールデンカムイの魅力は宝がラピュタの飛行石&ラピュタ島そのものとか、もののけ姫のシシ神の首とか、インディ・ジョーンズのアークとかみたいなマジカルなものじゃなくて金塊っていう現実的なもので、舞台もファンタジー世界とか、中世の日本とか、エジ…

アシㇼパは金塊さえなければみんなが五稜郭に留まらずに逃げられて、死なずに済んだと考えているんだろう。でも土地の権利書を持っている者がイニシアチブを握れるらしい作中の描写を尊重すると、その場合はその場合で権利書を巡って殺し合いが起きるだけで…

金塊を手に入れてもめでたしめでたしのハッピーエンドにはならないというアシㇼパの認識は正しい。むしろそこが夢を叶えるためのスタート地点だろう。でも土地の権利書を手に入れたところでそれは変わらないような。権利書には土地の所有者はアイヌとだけ書…

読み直して鶴見勢力が第16話の100名弱から五稜郭攻囲戦までの約1年間でかなり増えているのに気がついた。第289話で「鶴見陣営の歩兵155名」というナレーションがある。この歩兵155名には駆逐艦に乗ってきた64名に加えて札幌から汽車に乗ってやってきた兵士も…

政治的判断は個々人の感情が寄り集まることにより導き出される。だが個人の感情で政治を動かしていいのは封建領主までだ。日本だと幕末かせいぜい西南戦争まで。ゴールデンカムイは指揮官がかなり封建領主じみた扱いをされているけど、それでも近代が舞台だ…

鯉登は最後まで鶴見が高飛びを目論んでいることに気付かなかったはずだ。もし気付いていたら、月島を解放してくれと頼んだタイミングで土地の権利書を持っている鶴見を撃たなくてはいけなかったからだ。鶴見の高飛び計画が作中で明かされるのはこの直後であ…

姉畑は生物を愛していると言いながら、コトが終わった後に後ろめたくなって相手を殺してしまうような目的に執着したところがゴールデンカムイ的には失格行為。開き直ってればいいのかというと、ジャックを見る限りそうでもないけど。 ゴールデンカムイ的なル…

ゴールデンカムイは基本的に誰の正義にも一理あるからどれを実現するかはサバイバルバトルで決めようというスタイルだ。ジャック・ザ・リッパーのようなあからさまな悪はともかく、どの正義が正しいのかを決める戦いではないし、そういう漫画でもない。 鶴見…

アシㇼパと鯉登はみんなの切り開くために金塊は必要ないと考えてそれぞれのやれることをやり、白石が実は別に呪われているわけでもない金塊をアホなことに使い切ってしまい、一方で鶴見がウイルクの遺した金貨とすでに存在しない金塊の亡霊を使って国防を果…

不正に出獄した死刑囚である月島がいご草ちゃんの髪を捨てなくてはいけないと思い詰めたのはいご草ちゃんが生きた人間だからで、死神の二つ名がある鶴見が長い間妻子の骨を手元に置いておけたのはそれが死者の物だったからだと自分は考えている。 鶴見が列車…

個人的にはキャラがしっかりしていれば背景が多少雑でも気にしない。ただゴールデンカムイの終盤は、軍や政府などの背景の描写が雑+キャラクターの心情で難しいことをやっている+モノローグが控えめの作風、が合わさってキャラが何を考えているのかわかり…

鶴見勢力は百人程度しかいない。鶴見中尉は日露戦争では小隊長だったのだから規模としては妥当だ。歩兵第27連隊長の淀川中佐は弱みを握られているため鶴見中尉の横暴を大目に見てくれるが、人員を融通してくれる程ではない。もし鶴見が第七師団に反旗を翻し…

鶴見が愛で自分に従う兵士をつくろうとしていたのはそれなりに合理的だ。鶴見は部下に対する情は持っているが、目的のためなら部下を騙して利用したり、切り捨てたりできる覚悟を持っていた。そうした手段を取るためには、共犯者になって他の部下を騙してく…

樺太編がアシㇼパにとってアイヌの命運について考えるようになるための章だったように、鯉登にとっては指揮官として部下について考えるようになるための章だったのだろう。父親はそれを願って送り出したし、その通りになって帰ってきた。鯉登はフチのコタン…

函館で鶴見のやりたかったことについて考えてみる。 鶴見は中央のスパイだった菊田を殺害し、さらに金塊が土地の権利書に変わっていると知った後も、部下たちの前では北海道の開発を行うためには土地権利書が必要だと演説した。だがそれは本心ではないだろう…

ある目的に対してある手段を取って犠牲が出た場合、却ってその手段に固執してしまうのが鶴見・月島で、目的はそのままでも手段を考え直せるのがアシㇼパ・鯉登だというのはわかる。危険そうだから金塊を封印したけど、白石がそれであっさり成功してしまった…

野田先生が連載を通じて重視してきた「フェア」を体現するのが杉元とアシㇼパの関係なんだと思う。だったら自分はアンフェアでいい。鶴見と月島みたいなアンフェアは嫌だけど、鯉登と月島みたいなアンフェアがいい。好きな人がいたら守ってやりたいし、相手…

鶴見は目上の人間に取り入り目下の人間にパワハラするのが得意。 ところで尾形だけじゃなくて鶴見もかなりシャア。

ゴールデンカムイは登場人物の望みが軒並みストレートに叶っていない。全く叶っていないわけではないが、捻れて叶っている。 主人公の杉元からして、梅ちゃんに目の手術を受けさせるために金塊を手に入れる→梅ちゃんの目の治療費は現在の旦那が出していたが…

尾形はシャアっぽくて鯉登はガルマっぽいんだけど、親の関係も含めてこの2人の関係は全くそんな感じじゃない。縦軸も横軸も反対になっているみたいな関係は面白いんだけど、そんなに絡みもない。史実を元にした時代劇とかだと作者が盛りそうな部分ではある。…

ガンダム新シリーズの水星の魔女は、もしシャア(の子供)とガルマが2人とも女の子でお互い何も知らずに学校で交流を深めていたら、みたいな内容で今のところとても面白い。 ウテナっぽくてハリポタっぽくて花より男子っぽい学園ものなところもわかりやすさ…

大泊でのアシㇼパと鶴見の議論シーンは単行本での追加シーンだそうだ。後の会話と微妙に噛み合わないところがあるのはそのせいかと思わなくもない。「そもそも和人を殺すための軍資金だろうが」と言う鶴見に「そのつもりで砂金を集めた一部のアイヌはみんな…

ゴールデンカムイの最終回はツッコミを入れようと思えばいくらでも入れられるけど、自分は気に入ったからそれ込みで受け入れる。納得できなかった人はツッコミたいだろう。白石オチはギャグだからスルーするとしても、まともに考えるとあの後すぐに日本政府…

自分はウテナの暁生も好きだし、パトレイバーの内海も好きだし、ゴールデンカムイの鶴見も好きだ。鶴見を好きな読者は詐欺師として好きな人と、詐欺られたまま好きな人とどっちが多いんだろう。同じ鶴見を好きという言葉でも意味が変わってくる。 自分は尾形…

ラピュタのシータがムスカにしたみたいな説教をゴールデンカムイだと鶴見が金塊を我が手に掴み日本繁栄を成し遂げるためのパワハラとしてアシㇼパに語って、しかもアシㇼパがその影響を受けちゃうんだから野田先生が鶴見好きというのは本当なんだろう。アシ…

樺太から帰ってからアシㇼパ・杉元パートの魅力が落ちたのは2人が積極的になれる中期目標を設定できなかった点が大きいと思う。 ストーリーの終着点が2人が金塊を手に入れることになるのはわかりきっているし、囚人の入れ墨を集めるという短期目標もあるけど…

最近仮にも宮崎監督ファンなんだからもっとミリタリ方面のことも勉強しておけば良かったと思うことが多い。図説が好きだから昔読んだ雑想ノートは知識がないなりに面白かったけど。ミリタリ方面からの宮崎監督ファンは自分がぼんやりとしか理解できていない…

鶴見に金塊を見つけさせて消そうとしていた中央とはあくまで陸軍上層部の長州閥のことだ。菊田も長州閥の奥田中将の部下だ。陸軍の薩摩閥や海軍が金塊や鶴見勢力の動きを把握していた描写はない。

中央は鶴見を金塊を手に入れるまで泳がせた後で菊田に消させるつもりだった。鶴見の部下たちは破滅しかないと菊田は有古に言った。ただし中央は鶴見が秘密裏に金塊へたどり着いたところで人知れず消すような筋書きを期待していたはずだし、鶴見の金塊を資金…