メモ帳用ブログ

色々な雑記。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

しかし、ここで疑問なのは、国家はそもそも「復讐権」を代行実現する義務を負っているのか、ということである。宮崎は殺人罪の保護法益である「人の生命」が非常に抽象的で具体的な「その人」の利益を直接に示しているわけではないことを指摘しているが、法…

中国の民間伝承だと、人が死ぬと魂魄が分離して精神を司る魂が天に帰り、肉体を司る魄が地に帰る。僵尸(キョンシー)は一説によると魄だけが肉体に残ってしまった状態らしい。 日月同错の屍者は僵尸が元ネタの1つだろうけどオリジナルの部分が大きい。ごく…

マグメルブログの本館を作った目的は日本語版で削られた部分も含めて拾又之国(マグメル)の本当の面白さにアクセスできる道を残すことだった。ごく少数の人間向けだとしても、だからこそ記録を残さなければなかったのと同じになる。せっかく日本語版が発表…

生前の上官宵は回天血身を習得していた。なのに西暦500年時点で屍者になっていた。その経緯にはちょっとした天命のいたずらが絡んでいる。上官宵と段星煉の会話で出てきた「天命之傀儡」のイメージ図に、段星煉・周六晴に加えて上官宵まで並んでいたのはその…

フィクションのドラマ性は作中でどれだけ高い壁を乗り越えられるか、壊せるかで決まる。現実では困難なことや許されないことを成し遂げる程にドラマ性は高まる。愛する人を守るために世界を敵に回すとか、既得権益層を敵に回す革命劇とか、そういったものは…

高皓光と不屍王の和解による真の宿命打破路線もそれなりに有り得そうな気はする。でも不屍王ってただの現象というか人格なさそうな気もする。実は人間には図り難い強固な意思が存在するのかもしれんけど。

第十五回三川法说で吴山老师が説明していた本命神通と天賦神通の違いについて再確認する。 (中) 求法者跟涅槃尸的神通有着明显区别, 求法者的强大来源于灵魂, 涅槃的力量来自于肉身。 正因如此才造成了两类不同的神通。 法尸的天赋神通, 求法者的本命神…

上官宵の天命に対する認識は正確なものではない。でも法屍者サイドの不屍王に対する認識という貴重な情報を明かしてくれた。認識が真実なのかはまた別の話だ。

三眼は屍者である自分が天意に弄ばれていることに気がつくまで、その自覚がなかった。むしろ屍者となったことで天から解放されていると勘違いしているようだった。実際、屍者は「天命」からは解放されているようだ。死人であり命はないから。 『日月同错』で…

著作権法でいう引用の範囲に収まるように、今まで細かく区切っていたけど、流れを説明したい時はどうしても長くせざるを得ないな。 もし警告を受けたらすぐに削除します。 (中) 白大把那枚丹给了咱。 咱才真正有了痊愈的希望。 也有了一分清醒的意识。 咱…

わかりやすくデフォルメすることはフォトリアルを垂れ流すことよりよほど丁寧な作業だ。でも発信者の都合だけに合わせたデフォルメは、ただの劣化やデマになってしまう。子供向けと子供騙しの違いにも通じるところがある。 それにデフォルメのセンスは文化に…

日月同错はタイトルからして対比構造がストーリーの根幹らしい。黒山村編と三川編も大まかには対比になっている。でも話の都合ありきで登場人物、特にモブがアホな行動を取りすぎる。雑だ。三川編は段星煉・周六晴と趙炎・上官宵の関係が良く出来ているから…

日月同错の世界でも普通に考えたら先祖の因縁が発覚した途端の職務放棄はまずいんじゃないか。無能なヤクザだって、大人だったら立場ってもんがあるんだから、そうそう持ち場を離れたりはせんだろ。子どもを活躍させるために大人をアホにするゆるい世界観な…

モラルの問題は置いておいて、現行法では一般人が他人を見捨てて死人が出たとしても、見捨てた一般人が罪に問われることは少ない。もちろん、子どもを親が見捨てるとか、病人を家族が見捨てるとか、法的に責任のある人間が見捨てる場合は別だ。保護責任者遺…

中国でさえ死刑囚から臓器を摘出するのはやめたと政府が発表している。

日月同错はエピソードごとに独立したテーマがある作品でなく、エピソードが進むごとにテーマを掘り下げていく作品だ。だから1つのエピソードの受け取り方がおかしくなるだけで、作品全体の受け取り方がおかしくなってしまう。

功利主義は名前どおり利点の多い思想だけど、「最大多数の最大幸福」は全体主義と結びつきかねない危険性もある。功利主義を突き詰めると、思考実験の臓器くじ(くじに当たった1人がドナーとなって複数の移植を必要とする患者を救う)のような問題も出てくる…

黒山村のエピソードは子どもたちに未来を、未来と進歩は素晴らしいみたいなオチになるのに、子どもたちがただの舞台装置にしかなっていない。まるでプログラムされた反応しかしないゲームのモブキャラみたいだ。だから意識高い系の話として見てもイマイチ。 …

段星煉の感想から判断するに、黒山村のエピソードから得るべき教訓は、運命は残酷だ、人々を傀儡にしている運命に抗え、ということらしい。村人は白家に生贄を押し付けたが自分と家族が生き延びたかっただけで最初は悪意がなく、白小小は復讐に走ってしまっ…

自害した三眼は意識を失う寸前に、自分がかつて植えて今は大きく成長している木へと目線を向ける。 「一千年前咱刚可以行动时就种下的你。 每几百年醒来一次对着你发呆, 发着发着长这么大了…」 「一千年前俺が動けるようになった時に、すぐ植えたお前。 数…

三眼の親切な自己紹介コーナー 白小小は山の外に出たい。しかし今逃げれば村のみんなが三眼に殺されてしまうので、逃げられないと言う。そのいかにもな模範解答に対して高皓光と黄二果は憤り悪態をつく。そこに会話を聞いた三眼が、同じく悪態をつきながら飛…

白小小に母親が別れしな言ったセリフには嘘と本音の両方が入ってる。 「小小, 离开这里吧,去山外面看看。」 (直訳) 「小小、 ここを離れるのよ、山の外に行ってみなさい」 という部分は本音だ。 その前の 「娘亲要去见你爹了。 放心,这次后,村子里的人…

白小小が母親から言われた「あなたは村を出て自由になりなさい」は、日本語版だと私達夫婦は村から出られなかったけどあなたはその叶えられなかった夢を叶えてのニュアンス。中文版だと少し違う。 「小小, 离开这里吧,去山外面看看。」 (直訳)「小小、 …

黒山村の村長は、生贄を捧げるのは村のためだって大義名分を使いたいならまず自分が生贄になれば良かったんだ。村のまとめ役を失うのがまずいというならせめて自分の家族を生贄にすればよかった。それができなかったのは村のためというのは言い訳で、本当は…

もうネタバレもデマも怖くないぞ。ちゃんと完結したかだけ確認しようとしてネタバレを結構踏んでしまったけど、今の段階ならまだデマも多いからちゃんとハラハラしたり驚いたりできた。 いい意味でかなり期待に応えてくれるサービス満点なエヴァだった。変な…

黒山村の話って「悪人は罰すべき」「親の仇は殺すべき」っていう道理の話と、「悪人を罰したい」「親の仇を殺したい」っていう感情の話が入り乱れているからややこしい。ある意味リアルではある。先祖の罪は子孫に償わせるべきだし仇は殺すべきだしそうした…

第7話の三眼のセリフのおさらい。 (日) 「祖先の名誉を回復したいか? 死んだ両親の敵を取りたいか? 今まで受けた理不尽の仕返しをしたくないか?」 (中) 「想要消灭咱为爹娘报仇吗? 想要为自己祖先所受的不公, 为自己家这一世受的不公报仇吗?」 (…

白小小の父親は普通に時々山から出ていた。 中文版の第6話で白小小が父親は薬草採りのために山から出ていたと語っている。 (日) 「山の向こうには海があって どこまでも続く城があって…… 世界は子供には想像もつかないほど広くて面白いものがたくさんある …

三眼は自分の植えた苗木や白大の死体など、物言わぬ相手に一方的に自分の執着を押し付ける方法でしか愛着を抱くことができない人格を持っているようだ。元凶である三眼に復讐を頼まなくてはならなかった白大がどれだけ無念だったか、三眼への恨み言を飲み込…

黒山村は全く自然な村には見えない。でも設定上は村人が全員劇団員とか、法術による記憶操作が行われているとか、千年以上法屍者に生贄を捧げ続けてきたとかそんなことは全然なく、普通の村人が住む普通の山村だったということになっている。信じがたいこと…