メモ帳用ブログ

色々な雑記。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ただ,マッキンタイアは個人が特定のコミュニティに「埋め込まれて」いても,そのことはそのコミュニティの 「道徳的限界」を受け入れることではないと主張していることにも注意すべきである [MacIntyre1984: 221 = 1993: 271]。例えば,彼はアリストテレス…

ここではリベラル・コミュニタリアン論争時の議論と区別するため、2000年代以降、論争後に展開されているコミュニタリアニズムを応用した論考をポスト・コミュニタリアニズムと呼ぶ(1)。ポスト・コミュニタリアニズムで見られる議論には、おおむね次のよう…

政治経済は一般教養の講義で取って以来纏まった基礎の学習を疎かにしていたので、この機に纏まった基礎の新しい本を何冊か読んでみた。 自由・平等・博愛はフランス革命のスローガンであり、近代思想を代表する言葉だ。だが自由と平等には両立が難しい部分が…

最近の漫画の単行本はよく巻末に「収録されている表現は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、コミックス発売当時のまま掲載しています」と掲載されてる。日本国内の社会通念と表現の問題についてはほとんどこれで対応できるはずだ。 海外に輸出する際…

秘曲笑傲江湖の林平之が家族を皆殺しにされた口実も復讐だった。酒場で少女に絡んでいた男を林平之は弾みで殺してしまった。その男がとある武門の総帥の息子だったのだ。林平之は明らかに過剰な復讐によって父の部下を含めた家人全員を失った。しかもこれは…

大陸から香港へ移り、武侠小説家になった金庸。金庸の武侠小説には復讐が縦軸の1つとなるものもあるが、痛快な作風が持ち味にも拘らず(だからこそ?)復讐の顛末はすっきりとしないものが少なくない。 碧血剣の主人公は無実の父を殺害した崇禎帝に対する復…

自分がファンをやっている作家の国、特に発展途上国の陰口を言うのは行儀が悪いけど、権威主義的で現政権への批判がしにくい国は窮屈に見える。 一応フィクションなら現政権への直接の批判をうまくごまかすのに色々とやりようはあるようだ。ファンタジーにす…

NHKのハーバード白熱教室を見ていたから、マイケル・サンデル教授の主張やコミュニタリアニズム(コミュニズムではない)には魅力を感じる。 ホッブズのいう「万人の万人に対する闘争」が実際のホモ・サピエンスの黎明期に存在しなかったことは明白だし、ロ…

続・遺伝学で紛らわしい用語。 雑種強勢と雑種弱勢。 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「雑種強勢」の解説 雑種強勢 ざっしゅきょうせい heterosis 雑種第1代がその生産性,耐性などの生活力で,両親のいずれの系統よりもすぐれる現象で,逆の場合の雑種…

薀蓄漫画は取り上げた対象に興味を持つきっかけとしては最適だけど、教科書代わりにするもんじゃない。 浦沢直樹先生の方向性は、工藤かずや先生原作の『パイナップルARMY』を描いている時に固まったんだそうだ。初期の話で、ベトナム戦争の帰還兵が殺人鬼に…

遺伝学で紛らわしい用語。 優性・劣性の優性(生に立心偏)と優生学の優生(生に偏なし)。 優性・劣性は誤解を招きやすい用語なので、顕性・潜性に置き換えることが決まった。 例えば、大日本図書は、『理科の世界3』の「子の代への形質の伝わり方」の解説…

競技性の強い料理漫画っていい意味でデフォルメが利いているとすごく面白いんだけど、長期連載しているとデフォルメのバランスがおかしくなりがちなところはある。作者のプロパガンダっぽくなったり、料理の美味しさを伝えるためのリアクションでなくリアク…

自分にはブラッドソーセージやベジマイトの美味しさはわからない。でも好きな味や故郷の味を食べると気分が明るくなるのはわかる。好きな種類の食べ物でも美味しい物と不味い物があるのもわかる。 自分は食べ物の好き嫌いが多いほうだから、料理漫画に出てく…

バッタ類が大量発生すると食えばいいのにという人が出るけど実際どうなのかという点で面白いブログがあった。昆虫食文化があってもグローバルなバックアップがないと解決は難しいようだ。

お手軽エンタメでありがちな、野蛮人にうまい飯を食わせて全員を骨抜きに、みたいな展開はいかにも安っぽい。安っぽければつまらなくて、本格的なら面白いかというとそんなことはないんだけど。信長のシェフは原作者のいる部分はいい意味のお手軽エンタメと…

印象派とピカソとか、ある芸術に対してそれを評価する人間と評価しない人間の間で論争が起きるものだ。個人的にはわかっていないのにわかったふりをする人間よりも、わからない物には素直にわからないと言える人間のほうが好感が持てる。評価が高くなろうが…

どんな業界でも型破りは評価されて形なしはそうそう評価されない。ピカソの評価も古典を修めているという前提の元に成り立つものだし、ゴッホもアカデミーには進んでいないけど多くの画家の下で絵を学んでいる。ゴッホの絵はいい意味で素人にも魅力的だから…

フィクション的な信長とか、キャラがそうそうブレないキャラが群像劇にいると、展開に軸が通って話が安定する。序盤で亡くなっても話の方向を明確に示せる。個人的には軸よりもその周りで右往左往しているキャラのが好き。

右だろうが左だろうが権力が思想を押し付ける国だと進撃の巨人みたいな漫画は発表しにくいだろう。これだけで漫画ファンとしては民主主義の国に生まれて良かったと思える。民主主義政権じゃないとイングロリアス・バスターズも帰ってきたヒトラーも制作でき…

戦国の三英傑だと豊臣秀吉が好きだけど諸事情でもう大河の主役とかにはしにくいだろうな。豊臣秀吉の晩年を描くなら、真田丸の昔はいい人だったのに、みたいなのが限界か。秀吉は悪役でもおいしいポジションだからそれはそれでいいけど。戦国お洒落漫画のへ…

個人的な印象だと際どいネタでは 加害者をイジる→セーフ 被害者をイジる→アウト の判定をされやすいように思う。 ただ加害者が加害に至った社会背景なんかもあるから一概には言い切れない。 あと、負の感情を連鎖させないことと、負の感情を連鎖させないため…

科学の発展のために動物実験を行うことは今のところ許されているけど人体実験は許されていない。たとえ被験者が同意したとしても許されない。医療で新しい治療法を試す際も、あくまで患者が自身の生存を模索するためというのが第一だ。 しかし新しい学説を公…

ルックバックはループものじゃないけど、ループものだと失敗扱いのルートに残された人間にも人生がある、みたいなところをテーマにしているのが好きだ。 最後の4コマ用紙は物理的には京本の部屋の窓に貼ってあった8枚のうちの1枚が剥がれたものだろう。だが…

ヒトのDNAは確実に生まれつきの素質を左右する。例えば、勉強の成績が上がりやすいがうつ傾向が強くなりやすい遺伝子と、勉強の成績には貢献しないがうつになりにくい遺伝子があることが判明している。 こういったことを現代の自然科学がおおっぴらに語れる…

性格の権威主義的傾向と,より低次の認知傾向との関連を調べた研究では,権威主義的性格が「場への依存性」が高い,認知の曖昧さへの耐性が低い,認知的複雑性が低い,などの研究結果が報告されている。そのような観点から,権威主義的傾向は,曖昧さの認知…

進撃の巨人は親が子供を道具として扱うことに否定的な作品だ。ただ、それをやった人間を無条件で切り捨てるのではなく、そうするまでに至らざるを得なかった経緯を汲み取っている。ジークに対するグリシャや、ヒストリアに対するロッドや、ライナーに対する…

進撃の巨人の終盤では大虐殺が起きる。しかも虐殺を 行うのは絶対悪のような存在ではない。 だが担当編集者のインタビューにあるように、ストーリー全体としてはそれを肯定してはいなかった。克服すべき対象として描写していたといってもいい。 あれだけ注意…

チャールズ・マンソンが自分のカルト思想を権威付けするためにビートルズの音楽を曲解して利用していたことは有名だ。チャールズ・マンソンは一応本気でビートルズファンでもあったそうだ。 でもこういう利用のされ方をしたらビートルズもビートルズファンの…

ある分野で正当な権威のある学者でも、無関係の分野に首を突っ込んでその分野でも偉ぶろうとするならそれは権威主義というしかない。学問は個人でなく理屈に従って判断されるべきもので、理屈に合わないなら批判を受けて然るべきだ。 権威主義とは特定の個人…

ふと思ったけど権威主義をエリート主義の意味で使う人もいるのかもしれない。学問をエリート主義って批判されても根本的にどうしようもないところはあるけど、どんな分野でも間口を広げて多くの興味を持ってもらう機会を増やすことは大切か。